<第2回>従業員離職ゼロにする採用と教育

インタビュー
第1回の対談記事(会員登録なしで読めます)
 
【ミカタ編集部】 
一年目から案件がたくさん来て、自身でやれる量が限られている中で、採用という話になると思いますが、どのタイミングでどのようにされましたか?

 

【中澤氏】

開業して半年は創業弁護士二人でやっていましたが、半年後に事務局を入れて、1年くらいやったところでちょうど案件が多すぎて止まってしまい、弁護士を採用し始めました。最初は中途の弁護士を入れ、そのあとは新卒です。

 

【ミカタ編集部】 

人が辞める、ということに課題感を抱かれている先生もたくさんいる中で、7年間離職する人がいないというのはなにかコツがあるんですか?


 

【中澤氏】

特別なことは基本ありません。強いて言うと弁護士の執務スペースを個室にしていないので、雑談をしながら、わからないことがあったらすぐに聞ける、物を言いやすい環境であることが大きいと思います。

 

【ミカタ編集部】 

中澤さん、怒ったりしなそうですもんね。割と風通しのいい、働きやすい職場になっているということですね。


 

【中澤氏】

怒ったりはしますよ。働きやすくするためにしているわけではないのですが、情報量が勝負の商売なので、他の人がやっていることも横で見て聞いて自分の経験にする、ということが大事です。

 

【ミカタ編集部】 

新卒の採用を行なっていらっしゃいますが、業務をこなせるようになるまでの教育は大変だと思います。どういう風にされていますか?

 


【中澤氏】

うちでは基本的にまずネットのものを一人前にできるようになることがマストです。ネットさえできればあとはついてくるという考え方でやっています。最初に法律相談の場面から契約書を作って請求書を作って、訴訟、という一連の流れを模擬事例で一巡する研修を行っています。この研修は弁護士だけではなく事務局にもやってもらっています。それが早ければ1ヶ月くらいで終わり、そこから現場に出し、先輩と一緒に案件に取り組みます。一年くらいで一人前になればいいかなという感じのスケジュールです。

 

【ミカタ編集部】 

弁護士業界だとスキルアップのスピードが速いようなイメージがありますが、他の弁護士事務所とは違うなというところはありますか?


 

【中澤氏】

弁護士としての平均点くらいまでは研修などのフォローで持っていき、そこから先まで行けるかどうかは個性や才能かなと思っています。一年で一人前になるのは他の事務所と比べたら早いかもしれませんが、分野が特殊で仮処分の手続きを多用するので、通常の訴訟よりも回転が速いのです。弁護士の業務は一件通してやって一つの経験になると思っています。そのため大きな訴訟をいくら担当していても、途中の段階では大した経験値にはなりません。判決など最後まで進めてみないと、経験できない部分が大きく、訴訟を100件今抱えて忙しくやっていますという人がいたとしても途中の案件ばかりなら成長や経験という意味ではあまり意味がないと考えています。とにかく、我々の商売は経験がものを言います。経験とは単に案件に関わった時間に比例するものではなく、そこから何を学ぶかが問題です。仮処分を行い1ヶ月で結果が出ると、通常の訴訟手続より相当早く一つの事件を一通り最後までやったという経験ができます。最後までやることで、こう主張したけれど結局こうなった、最初の段階でもっとこうしておけばより良い結果が得られたという反省できます。そのためうちの事務所は、業務的に早く成長しやすい環境であるとは思います。

 

【ミカタ編集部】 

では今ネット系の業務についてはみなさん相当プロフェッショナルなんですね。
 
【中澤氏】

うちにいる以上はそうですね。

 

セカンド顧問というポジション

【ミカタ編集部】 

他業務への派生はあるのでしょうか。

 

【中澤氏】

入り口はネットで、クライアントの多くは顧問弁護士がいらっしゃる会社が多いのですが、顧問弁護士に相談しても要領を得ないということでご相談いただくケースが多いです。少なくともこの分野に関しては当事務所の対応はスピード・結果ともに高いクオリティを維持できていますので、クライアントからは高い評価をいただいています。高いクオリティの仕事が提供できると、その後「顧問の先生には相談しづらいんだけど」という形で他の相談もいただき、セカンドの顧問に入るというのがうちの一番多いケースです。

 

【ミカタ編集部】 

やはり一つ強い業務を持たれたことがすべてのきっかけになられているんですね。今ポジションが確立されていると思いますが、ポジションができたのは開業何年目くらいでしょうか。


 

【中澤氏】

ここ3〜4年くらいです。私が本を出して、その本がある程度売れたことが大きいです。

 

【ミカタ編集部】 

まさに徐々にできてきたブランドだと思いますが、一気に来たきっかけと考えると、書籍の出版だということですね。この出版はどういうきっかけでなされたのですか?


 

【中澤氏】

目的としてはブランディングを考え、一冊本を出そうと思っていました。もともと所内向けにノウハウの共有のために作っていたマニュアルを出版社に持って行き、汎用化して本にして出させていただけないかと言いました。タイミングがすごく良かったらしく、私より先にやっている弁護士は何人もいるのですが、私が本を出す2年前くらいに企画書を出した先生は門前払いされたらしいです。一度、私の本が出て売れたので、そのあとはたくさん同じテーマの書籍が出始めました。

 

【ミカタ編集部】 

今だとその本は弁護士さん向けですか?一般の方向けですか?


 

【中澤氏】

一応一般の人も使えるように簡単に書こうとはしていますが、裁判の話も多いのでメインは弁護士ですね。

 

【ミカタ編集部】 

そうなると弁護士さんからの相談や紹介も多いのですか?


 

【中澤氏】

多いです。うちに顧客を紹介してくれるメインの層は弁護士です。
 
 
 

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