大切なのは弁護士独立するまでの準備期間

インタビュー
独立直後から月商100万円以上、年商3,000万と驚異の数字をたたき出した弁護士 瀧井 喜博氏に、目標達成するために取り組んだことを伺いました。

事務所に勤めながら副業で弁護士

【編集部】
まず簡単に自己紹介をお願いできますか?
【瀧井氏】
大阪で『瀧井総合法律事務所』を経営しています瀧井 喜博と申します。弁護士としては5年目、独立開業して3期目になります。
【編集部】
数字面で見るとかなり右肩上がりに売り上げが推移していますがその理由をどう分析しますか?まず、1期目の売り上げはどうでしたか?
【瀧井氏】
独立したのが11月だったので、翌年の1月からの12ヶ月でみると3000万円弱の売り上げがありました。
【編集部】
本当にすごい数字ですね!具体的な目標数値は決めていましたか?
【瀧井氏】
はい。独立前から決めていました。最低月100万を目標にしていました。そうすると、年間1200万円の売り上げになります。あくまで月100万円は最低目標だったのでもう少し上乗せして、少し強気に年間2000万円ぐらいの売り上げを目標に考えていました。実際にやってみると、思いの外案件が増えたので結果は3000万円弱での着地となりました。
【編集部】
独立する前になにか準備はしましたか?
【瀧井氏】
私の場合、独立する前から所属していた事務所での仕事の他に自分で案件をとり、副業としても弁護士の仕事をしていました。事務所に勤めながら、どうやって集客して行くのが良いのか、どれくらいの売り上げを立てることができるのか等の分析を行い、独立の準備をしていました。
【編集部】
どのタイミングで独立を決意したのですか?
【瀧井氏】
事務所に入所した半年間は事務所の仕事に集中しました。だんだんと業務を覚え弁護士の仕事に慣れ始めた半年後からは意識的に事務所の外に出るようにしていきました。遅かれ早かれ独立をするつもりだったので、そのための準備を開始しました。2年目の1月から8ヶ月で私個人の案件の売り上げが350万円を達成したら独立すると決め、事務所の所長にもそう伝えました。

独立後の弁護士として新規顧客の獲得方法とは?

【編集部】
新規顧客はどうやって開拓しましたか?
【瀧井氏】
最初はコネクションもなにもありませんでした。弁護士には弁護士会や役所の法律相談経由でいただける仕事もありますが、それに頼ってばかりでは目標の売り上げを得ることはできません。 独立前は交流会などにも積極的に参加しました。しかし、人脈は広がりましたが仕事には中々繋がりませんでした。以前より興味のあった起業家支援のセミナーなどに参加していたのですが、そこでは若手の社長などとの人脈ができ、いくつかの案件をいただくことができました。
【編集部】
顧客を得るためになにか特別なことはしていますか?
【瀧井氏】
私は弁護士になってからの顧客情報を全てエクセルに入力し分析しています。いつ誰からどんなジャンルの案件を得たのかなど事細かに分析しています。
【編集部】
全てですか?それはすごい!取りやすい依頼を分析することが目的ですか?
【瀧井氏】
最初はそのつもりでしたが、情報の量がまだ少なく傾向がはっきりと見える段階ではありません。しかし、依頼件数・売上の浮き沈みや入金のスパンなど、他にも役に立つ情報を多く得ることができました。仕事の動きを「見える化」できたことはとてもよかったと思っています。
【編集部】
では、営業力についてのクロージングへの努力はされていましたか?
【瀧井氏】
強いて言えば自分らしく振舞うことです。弁護士らしくではなく、自分らしく振舞う。それが私の、相手に心を開いてもらうためのコミュニケーションスキルだと思っています。無理してカッコつけてもしかたないしそういうのは簡単に見透かされてしまうと思うので。
【編集部】
どうしてもカッコつけたくなりますもんね…。現在の案件は紹介がすべてですか?
【瀧井氏】
紹介案件は、徐々に割合が大きくなってきていて、現在、全体の8割弱です。知り合いからの紹介や、なぜかたまたま出会う人が僕と出会うと悪いことに出会うのか、自然と案件がやってくることが多いです(笑)基本的に、弁護士の仕事は困った時に人を助ける仕事です。つまり困ったことがないと仕事がないのです。困ったことは突然やってきます。その時に私のことを思い出してもらえるか、仕事をお願いしてもらえるかが全てです。困った時に私ことを思い出してくれる人の数を増やすことが案件の数を増やすことに直結すると思います。
【編集部】
運がいいのか悪いのか…なんとも言いにくいですが…(笑)今はどんな案件をメインに行なっているのですか?
【瀧井氏】
独立前は中・小企業法務などをメインに行なっていましたが、独立した現在は、インターネット集客しやすい男女問題や、保険代理店や整骨院からの紹介で交通事故の案件を多く受け持っています。現状、男女問題・交通事故の売上が全体の案件の半分を占めていますが、今後は企業法務にウエイトを置きたいと考えています。また、変わったところでいくと、仮想通貨に関連する案件も、比較的ご相談、ご依頼いただいているのではと思います。

弁護士として他の事務所との違いは何でしょうか?

【編集部】
ずばり!瀧井総合法律事務所のセールスポイントは?
【瀧井氏】
弁護士の仕事はサービスの良し悪しがわかりにくいですが、お客さんの求めているものを提供できることが一番重要なことだと思っています。お客さんは不安を解消してほしいから私たちの元へいらっしゃいます。それがお客さんの求めるものです。その不安をどれだけ解消できるかがサービスの質だと私は思っています。法律家としての自分はそこまで優れているとは思いませんが、不安を解消するというサービスには優れているとの自負があります。それが顧客満足度に繋がると考えます。
【編集部】
リピーター獲得へのアプローチは何かされていますか?
【瀧井氏】
意図的ではないのですが、お客さんとは仕事を超えて本当に友人になりたいと思っています。そうするとお互いの距離も縮まり、自然発生的に仕事の依頼が続いていきます。自分の好きな人の助けになることはとても嬉しいことです。

明確な目標を立てることが数字目標達成の近道

【編集部】
1期目から3期目までの売り上げの推移は?
【瀧井氏】
1期目で3000万円弱、2期目の去年は5000万円弱、3期目の今年は7000万円?1億円での着地見込みです。
【編集部】
数字で見るとやはりすごいですね!2期目、3期目の数字目標はどう決めましたか?また、新たに始めたことなどはありますか?
【瀧井氏】
1期目でだいたいのお金の出入りがわかったので、それ以降は3ヶ月ごとに区切って目標を設定しました。年末にインセンティブを決め、ボーナスなども決定しています。目標設定はとても細かく行なっています。ひと月ごとの目標、3ヶ月の目標、半期、一年と区切り、それに沿って運営しています。そうしていくと自然に数字は伸びていきます。目標の全ては事務所内で共有しています。
【編集部】
本当に細かく設定されているんですね!独立以来売り上げが順調に伸びているのは、独立前の期間の準備と目標意識高く持ったことがポイントですか?
【瀧井氏】
それは間違いないと思います。私が数字の目標を設定するときは、過去の実績数字から分析し目標を立てます。そうするとよりリアルな数字を打ち出すことができますし、目標自体も立てやすいです。事務所の設立は11月だったのですが、設立前の7月には月間売り上げ100万達成。完全独立後の9月から11月では、9月150万円/10月140万円/11月140万円と順調に売り上げを伸ばすことができました。当初は月100円を最低目標としてきましたが、売り上げ実績からコンスタントに月150万円の目標達成も無理ではないと実感しました。感覚ではなく確かな実績から明確な数字目標を設定することができたのはとても大きな成果でした。
【編集部】
目標設定についてはとてもよくわかったのですが、数字を伸ばすためのアプローチは何かされたのですか?
【瀧井氏】
純粋に事務所に所属する弁護士が増えたことは一つの要因だと思いますが、正直に言うとなぜここまで順調に数字を伸ばすことができたのかは解らない部分も多いです。気づけば多くの案件の紹介をしていただけるようになっていったのですが、そこに関してはなぜそうなったのかはわからないですね。

経営上の困った点や問題点は?

【編集部】
とても順調そうに見えるのですが、事務所を経営する上で困難に感じたことや壁にぶつかったことはありますか?
【瀧井氏】
困難は常に感じています。確かに数字だけ見れば右肩上がりで順調ですが、まだ仕事がストック型ではなくスポット型での収入なので、毎月マイナスからのスタートです。固定費もあるので、毎月不安はあります。 また、数字を意識しているがゆえに数字に対するマインドブロックが出ている気がします。自分の中で満足してしまうとそれ以上の売り上げを出すことはできないので、そこは壁を壊していかなくてはならないと思っています。
【編集部】
現状の問題点はありますか?
【瀧井氏】
私のパーソナリティーで仕事を取ってしまうと、お客さんは私自身が担当することを望みます。一方、私は全ての案件を把握していますが、私一人がフロントに立ち続けることは現実的ではないので、他の弁護士にフロントに立ってもらうことになります。そうすると、お客さんの希望との乖離が生じ得ます。
【編集部】
瀧井さんがいないと何もできないというのは大変ですもんね…。現在、人員は足りていますか?
【瀧井氏】
もっとたくさんの方に、一緒に働いて欲しいです。私が独立した理由は楽しく自己実現することだったので、忙しくなりすぎると本末転倒になってしまいます。
紹介いただいた案件は基本的にすべてお引き受けしていますが、対応できる仕事にも限度がありますので、一般向けの広告などを止めて対応しています。現在全体の案件のうち、8割が紹介案件、2割が広告からの案件です。理想は半々くらいの割合で仕事を取ることです。なので、採用が今後の事務所の売り上げを伸ばす上で大きなポイントになると考えています。
【編集部】
最後にこの記事を読んでいる、今後、独立・起業を考えているかたへメッセージをお願いします。
【瀧井氏】
士業の方は聡明な方が多いので何か行動を起こす時に先にリスクを考えてしまう傾向が強いように感じています。リスクを考えると、結局アクションを起こさないことが一番になってしまいます。それでは起業する必要がなくなってしまいます。なんのために独立したいのかをしっかり落とし込んだうえで計画を立てることが何よりも大切だと思います・
株式会社ウェイビー代表の伊藤健太さんもよくおっしゃっていますが、「なぜ」の部分の落とし込みが大切です。賢いが故に行動しないということは避けてほしいと思います。経営は行動・決断の連続です。リスクの捉え方を変えることが大事なのではないでしょうか。
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