人脈作りは恋愛と同じ? ~双方勝利を理念に掲げる弁護士の考え方〜【第2回】相手のニーズを把握してから自分語りをする

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第2回:相手のニーズを把握してから自分語りをする

ーちなみに、喜多先生が開業される際になにか準備されていたことはありますか?

喜多 準備は、私の場合は完全に人です。例えば、広告などは一切やっておらず、これからもやるつもりはありません。完全にご紹介ですから、いかに信頼できる方との人間関係をしっかり作っていくかを大事にしていました。前向きで成長意欲のある人との時間を優先的に取り、その中で自分がいかに誠実にお付き合いしていくかです。法律の知識や裁判の技術があるというのは当たり前です。そこがなかったらもちろんアウトですが、そこがあるから支持されるというわけはない。僕が磨きたいのは人間力です。究極は「喜多さんが言うのならそれで任せます。喜多さんだったら私に悪いようなアドバイスをするはずがありませんから。仮に自分にとって若干不利なところがあるとしても、喜多さんがそれが一番いいと言うのならきっとそうなのでしょう。」と言っていただけるような人間関係を作れれば、それが最もお客様に貢献できることなのではないかと思います。

ー喜多先生は「双方勝利」や「事前対応」など大切にされていることがあると思いますが、そのような考え方を身につけるために普段意識してやっていることや努力されていることはありますか?

喜多 一番はそういったことを望んでいる方の考え方を自分も身につけるということです。自分自身が常に双方勝利の観点で生きていないとすると、双方勝利のアドバイスをしても「あなたやっていないじゃない」となるわけです。自分は毎日人を攻撃して、いかにして自分だけ得をしようかということを考えているのに、他人には「人のことも喜ばせていきましょう」と言っても、そんなのはまったく誰も共感しません。私自身が学んで、私自身が成長して、実際私がやってみて成果があることをお客様にもお伝えすると。これが一番です。そのためには心理学の学びもしていますし、仲がいいだけではだめなので、仲が良くてなおかつ、仕事上の成果、プライベートの成果が上がっていくように目標達成の技術も勉強しています。

ー交流会でお会いしてその後飲み会もやって仲良くなってという流れが多いですが、仲良くなった先に進まないという先生もいらっしゃいます。そのあたり喜多先生はどう一歩前に進めていらっしゃるのですか?

喜多 交流会で何をしゃべるかということもあると思います。交流会に行って何を話せばいいのかわからない人がいると思います。僕もそうでした。共通の趣味を探せばいいと言われても、そんなに長い時間話すわけではありません。私が今やっているのは、何をしゃべろうかという観点を捨て、相手から何を聞こうかということに集中することです。私のイメージはかつての初恋の人をデートに誘うとき、どこに誘おうか、プレゼントは何をしようかということになります。その時、どうしますか?

ーまずはその人が何が好きかを遠回しに聞くか、周りの友達から聞くかして情報を集めます。

喜多 そうですよね。相手が何を好きかということに興味がでるじゃないですか。相手が何をしたいのか、相手が何を求めているのかということに興味を持って、その情報を得ようとしますよね。僕はそういう感覚を持っています。相手のお役に立とうと思ったときに、自分の商品を売り込むのではありません。
デートしたいときに「私ってこういう人なんです」と言っていてもデートできませんよね。彼女が喜ぶ自分である必要があります。なので、まずは最大限相手に興味を持って、相手のことを大好きになって、そうすると自ずと質問が出てくるんです。「どういう仕事をしているのですか」「どういう思いでこの仕事を始められたのですか」とか。聞くと、志を持っている人であれば相手は話したい。そこで話が出てきた時にその志に共感出来たら、共感できているという気持ちを伝える。徹底的にそれを聞くと「なんでこの人はこんなに聞いてくれるのだろう」と思ってもらえます。話がどんどん続いていくわけですから、「この人はなんか話しやすいな」とも感じてもらえるでしょう。そこで「ちなみに喜多さんはどんな仕事をしているの?」と質問が来ます。今度は聞かれているわけですからいくら話してもいい。
最初から自分が話すのと、相手から聞かれて話すのではまったく違います。私が話す段階では相手がどんなことを求めているかを知っているわけですから、相手が喜ぶこと、役に立てることを話せるわけです。これが相手が何を求めているかわからないと、むやみやたらに相手のセールスポイントを話していることになるので、「売り込まれている」という感覚になります。売り込もうとすると売り込まれまいという力が働きますので、人間関係が離れていきます。
そうではなくて相手の求めていることの中で、手に入っていないことで、僕の力で何かお手伝いできることがあるとしたら、当然そこにはニーズが発生してきて、それを聞いた相手の方には自ずと「この人と付き合っておいた方がいいな」とか「この人に仕事をやってもらいたいな」という思いが生まれます。うまくいくように計算して小手先でやっているのではありませんが、どれだけ相手の方の役に立てるかという考え方・マインドが心の底から出た時に、相手と心が通うようになると思います。

 

ーもちろんすぐに仕事になるかと言われるとそういうわけでもないけれど、時間の経過とともに、その人に何かあった時に思い出してもらえるような関わりをしていらっしゃるのですね。もちろん結果的にそうなっているのだと思います。「こんないい喜多先生と言う人がいたな。何かあったらお世話になろう。」と思ってもらって、ポッと思い出してもらう。お互いに心が通うようなコミュニケーションを取ることによって、それが結果的にはビジネスにつながるんですね。

喜多 あまりクロージングしているという感覚はありません。もちろんクロージングはどうやったらいいのかという勉強はしましたが、そこにフォーカスを当てているときはうまくいきません。売り込みになってしまうので。本当に相手にとって必要だと思ったら、その時は言います。お医者さんが、今ここで注射が絶対に必要だと思っているのに、痛いと言われると困るからプレゼンするのをやめようかなと思う人はいませんよね。それと同じです。士業は問題解決を売るための知識やノウハウを持っているので、お客様にとって本来必要で、多少出費や手間がかかるとしても今絶対にやっておいた方がいい場合には、言います。私にとってではなく、お客様の本当の望みから逆算するという意味です。

ミカタ編集部 もっともっといろいろとお聞きしたいところなのですが、時間が来てしまいました。あと二つほどお聞きしたいことがございます。まずは喜多先生の今後の目標を教えていただいてもよろしいでしょうか。

喜多 やはり争いを起こすのではなく、社員も取引先も顧客も、社会に対しても、良くしていきたいと思っている経営者や、そういう事業をしている方は、サポートしてくれる人を望んでいます。そういう方が、いかにして争いで相手を批判して、脅して責めて、罰を与えて、相手をやっつけようかという考えの弁護士からアドバイスをもらうと、求めているアドバイスと食い違ってしまいます。それでも専門家が言っているからそうなのだろうとならざるを得ませんが、そうではなく本当に役に立ちたいと思っている人に僕がお手伝いをしていきたい。なぜ経営者かというと、経営者の方は多くの人に影響を与えますので、経営者が良い考えや行動を選べることによって、その家族や従業員、従業員の家族、取引先と、多くの人に良い影響を与えられます。そういう方のお手伝いをすることによって、社会を良くしたいと思っています。

ー最後に、この記事をご覧になっている方に、成長や学びにつながるようなメッセージをいただきたいと思います。

喜多 士業という観点から言うと、自分自身が良い人生を送っていることは当たり前にしないといけないと思います。私たちは自分がポジティブになれたり、自分が人を大切にできたからといってそれがお客様の貢献になるとではなく、お客様にどう良くなっていただけるかということを伝えることが大事だと思います。伝えていけるもとは行動言語です。自分が何をしているかです。多くの士業は知っている知識を言葉で伝えようとします。でも、大事なのは何を知っているかではなく、何をやっているかです。自分がどういう生き方をしていくか、本当にお客様の役に立てる考え方を持っているか、持っている知識を武器として他人を斬るのか、それによって人を幸せにするのか。どこに価値があるのかということです。同じ士業として、社会にとって良い使い方を出来る人が増えていけば、本当に士業がもっと世の中の経営者や一般の方から求められるようになると思います。士業が入ったから話し合いが面倒くさくなったと思われてはいけません。士業が入ってくれればうまくいく、というのが当たり前になるように我々が自分を磨いていく必要があると思います。

ー本当に今日は喜多先生のお話をお伺いして、これからAIが発達してくると士業の仕事はなくなってくるのではないかと言われていますが、喜多先生の考え方ややっていらっしゃることは、相手の立場に立ってどう提案するか、コミュニケーションを取るかということで、AIが追いついてくるレベルではありません。喜多先生のような関わりをすることによってお客さんにも喜んでもらえますし、地域的にも社会的にも豊かさが広がっていくのではないかと思いました。本日は喜多法律事務所代表、喜多英博先生にお越しいただきました。ありがとうございました。

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