目標があるから意識できる、だからスケールする

インタビュー

超スピードで独立できた理由

ー独立するまでの経緯を簡単に教えてください。ー

瀧井)平成25年の12月に弁護士になりまして、1年9か月くらい事務所勤めで経験を積みました。独立する最低限のスキルが身についたと思えたので、平成27年に独立しました。

もともと独立は考えていましたが、これで生活できるという自信をつかめたことが大きいですね。

実はどんなジャンルのお客様に来ていただいているか入金の履歴をとっていて、それでこれはいけると思えました。個人で立てていた平成27年度の売り上げ目標を、大体7か月くらいで達成したので9月に辞めて、11月に独立しました。

ー独立までの期間がだいたい5年10年という中、瀧井さんの1年9か月というのは非常に短いとと思うのですが、なぜ出来たのですか?ー

目標設定をちゃんと数字に落とし込み、明確にしたからだと思います。約4年で今のサイズの事務所になったのもそれが大きいと思います。目標値ついても前年同期と比較して、同程度だと潰れるという認識で常に厳しく設定しています。

そう考えるようになったのは、自分が同期と比較して年を取っていたからかな。いい意味で早く一人前にならなきゃという焦りが強かったかもしれません。

ー独立後すぐも何か困ったこともなく?ー

そもそも独立して急拡大するつもりはありませんでした。小さく生んで大きく育てればいいなと思っていました。有難いことに直後から仕事に恵まれたのは良かったのですが…、困ったことに早々に手一杯になってしまいました。

5時に起きて6時に事務所に来て、夜12時くらいまで弁護士の仕事をする。それから夜中の2時頃まで事務員さんの仕事をするといった感じでした。これが休みなく3週間続きまして、もうこれは自分一人でやっていることがリスクだなと感じました。早々に気づけたことは良かったと思っています。

もともとの独立の動機に楽しい職場を作りたいというものがありました。なので人を増やしていくのも、ある程度のスピード感をもって動いていました。今は4年たった5期目ですが、弁護士の入れ替わりもあり弁護士5名・事務員7名の計12名の事務所になってます。

士業の考え方と経営の考え方

ー起業して4年経ちましたが想定より上手くいっている感じですか?ー

そうですね。思い描いていた状況よりも、半年から1年は早いペースで進んでいるかもしれません。独立して1年目を良い形で終われたことは大きいかもしれません。とにかく無理めの目標を立て、ただひたすらに時間を費やしてド根性でやりました。今、頑張らないでいつ頑張るんだ!って感じですかね。

具体的には売り上げ3000万弱、年末までに自分を含め2名の弁護士、事務員の正社員1名とパートスタッフ数名といった目標値です。

ー起業されて何かマインド的変化はありましたか?ー

士業の職人としての頭の使い方と、経営者としての頭の使い方がずいぶんと違うことに、やってみてはじめて分かりました。イメージなんですが、士業的な動きはすでに固まっているものを一個一個積み上げていく感じ。一方、経営者的な動きは行きたい目標があってそれを一個一個落とし込んでいく感じ。全然違うんですよね。

この違いは毎回、すべてのことで感じました。この頭の切り替えは本当に大変でした。どちらか一方に専念できればいいのだけど、そうもいきませんしね。

個人の集合体から組織への変換

ーこれまでで一番大変だったことは何ですか?ー

それぞれのステージで大変さが違っていましたね。質が違っているというか。

主観的に大変だと感じたのは、去年の4年目に入った頃ですかね。 従業員の数が10人以上になり、個人の集合体から組織へと変換する、ちょうど過渡期。普段使わない気を使ったり、頭を使ったりがとても大変でした。

具体的に言うと、人が増えたことでバランスをとることが難しくなりました。あっちを立てるとこっちが立たず、といった具合です。1人の人が見られる人数って10人とも言いますから、ちょうど最適値を超えたタイミングだったんでしょうね。

この問題に関してどう対処したかというと、まだ結果は出てないのですが、自分から「行動規範」や「価値観」を明文化して示しました。メンバーへの周知徹底はまだまだなんですが、まずは自分が理解を深め、アクションしていこうと思っています。

ー事務所の経営的に次の3年をどういう風に捉えていますか?ー

組織としての足場固めを行うフェーズになると思っています。メンバーが増えた今、中間層のいない状態はボトルネックだと捉えています。現状の2層構造の組織を3層構造にしていきたい。真ん中に来る中間層は下から育てるのか、外から召致するのかは決めていませんが、とにかく目の行き届く程よい20人くらいの規模感にしたいです。

ゴールはお客様の感動

ー独立されてから弁護士業界に何か変化とかは感じましたか?ー

肌感覚ですが、インターネットの問合せが増えて弁護士相談の裾野が広がった感はあります。以前は高かった弁護士相談のハードルが、ずいぶん低くなって当たり前になってきました。個人的にはポータルサイトのマーケティングも以前に比べて変わってきているように感じます。ライバルも多くなったし、かといって広告を出す形だけがベストでもないと思っています。

とはいえ、順調に顧客は増やしていかなくてはなりません。インターネットは非常に良い営業ツールだし、これからも積極的に取り組んでいきたいです。すぐに顧客とならなくても、ネット経由でいつかは顧客に繋げてくれる究極の営業マンです。

実は今、マーケティングに力を入れるよりもお客様に感動してもらうことを念頭に置いています。これはスタッフとも話しているのですが、最終的にどんなマーケティング手法もお客様に感動してもらうこと、そこに行き着くよねと。

ーこの先のモチベーションというか明確な目標とかはありますか?ー

数字目標で言うと、まだ足りていないというのがシンプルな答え。でも、方向性が少し変わってきたんですよね。始めのうちはボリュームを出したいので ゴリゴリ数字売り上げを目標にしてきました。そして最低限目標にしていた数字は達成できたので、この次は質を求めて行こうと考えています。

先の組織体系のところでも言いましたが、次は足元固めのフェーズにしたいんです。

数字以外の部分、今まで見てこなかった部分を大切にしたい。しばらくはお客様満足度を高めることに注力して、また2年後から再度数字を意識しなおそうと思ってます。

ーうまくいっている士業とそうでない士業の差って何だと思いますか?ー

僕は3点あると思っています。まず1つめは「事業をしたい理由が漫然としたまま独立していないか」。

これは弁護士業界に多いと思うのですが、なんとなく5年10年したら独立するという前例に従っているだけでは何も生まないと思います。これは“OKR”の考え方にも通じていると思います。

あと2つめは「現状分析をした上で数字目標に向かって具体的に頑張る」。

起ち上げの最初なんかは特にそうで、やりきる前提でやらないといつ頑張るんだ?って思ってしまいます。

3つめは「もうこれ以上、この1年を過ごしたくない位の量をこなす」。

僕も1年目のときは自分でも振り返ってみて、スーパーマンかよ!って思えますもんね。(笑)

営業は「自分だったら誰に頼むか」

ー最後の「量をこなす」ってとても大事なことだと思うんですけど、営業活動とかはどのように?

もちろん営業活動はしないとダメですが、重要なのはどういう営業活動が自分にあっているのかを分かることだと思うんです。でも、誰もがそうですが最初は全然わからない。自分も様々な交流会に出たり、色んな場に出かけたりしました。 でもこれ、本当にいろんな場が営業の場になるんだと気づきましたよ。

月に5万とか交際費の予算を決めて出歩いていました。真面目な交流会にもたくさん行きましたけど、遊びというか自然な集まりの方が結果として、仕事につながる場合が多かったです。これは自分に置き換えて考えたら、すごく腹落ちすると思うんです。誰に仕事をお願いしたいか。業界の中のことが分からなくて評判とかスキルとか不明なとき、間違いなく一緒にして楽しい人に頼むと思うんです。人柄とか価値観が合う人と仕事を一緒にするってとても幸せなことだと思います。

もう一回ゼロからやるとしたら、やらないこと・やりたいことって何かありますか?

採用の時に価値観をしっかりと摺り合わせたいかな。あと、これまでの経験をふまえてやる前提で、今ならお金という意味で博打売ってたかも。少し慎重だったなという感じはありますね。

瀧井総合法律事務所
代表弁護士 瀧井喜博

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