マーケティングや営業を数字化していない士業は伸びるわけがない

経営・マーケティング

すべて時給換算で捉える

帳簿以外の数字管理はテキトーな士業士事務所がたくさんあります。
一般的な士業事務所は、売上や経費などの面については、それなりに数字で管理していると思います。

とはいえ、帳簿をつけるための月ごとの売上と経費の管理がせいぜいで、案件ごとに、報酬がいくらであって、その報酬を得るためにいくらの経費と時間を使ったのかという視点を持ち合わせている士業事務所は、あまりありません。感覚でなんとなく割のいい仕事とそうでもない仕事を大まかに分けている士業がたくさんいます。
引き受けた業務やその業務のやり方が、費用対効果としてよいのか悪いのかということを、数字できちんと検証していません。
これでは、早々にジリ貧になってしまう可能性があります。

費用対効果について、簡単に考えれば、1万円の費用を使って10万円の報酬を得られるケースと、
5万円を使って10万円を得られるケースであれば、前者のほうが費用対効果が高いと言えます。
しかし、単純に費用と報酬(=売上)を比較するだけではいけないのです。

集客を科学的に分析する

報酬(売上)と同じくらいしっかりと管理しなくてはいけない数字があります。
それは、集客に関する数字です。

集客に関して管理しなくてはいけない数字は、2種類あります。

①集客源ごとの営業利益(報酬―経費)
②1つひとつの集客源の個別の受注効率

この2つです。

集客源ごとに営業利益 を計算する

たとえば、あなたが集客のために新聞広告を10万円かけて出したとします。
すると、その新聞広告を見たお客様から、1件当たり6万円の報酬を得られる専門業務を2件受注できました。
この場合、10万円の広告料(販売費)に対して12万円の報酬(売上)を得たわけですから、あなたは差額の2万円(営業利益)を手にします。

次にあなたは、2万円の費用をかけてインターネット上に広告を出したとします。
先ほどと同種の専門業務(報酬6万円)を1件受注できたとすると、2万円の広告費用(販売費)に対して6万円の報酬(売上)を得たことになり、差額4万円(営業利益)をあなたは手にすることができるわけです。

こう考えていくと、この2つの例の場合は、新聞広告よりもインターネット上に広告を出したほうが、
多くの営業利益を上げられる、費用対効果の高い集客手段となることがわかります。

会計上(帳簿上)の営業利益というのは「総報酬(売上高)
―総原価[仕入原価または製造原価+販売費(広告費用など)+一般管理費(事務所の家賃など)]」ですが、
このように「総報酬」と「総原価」だけ見て管理するのではなく、集客源ごとに分解して営業利益を出さないと、きちんとした管理はできません。

新聞広告とインターネット広告は別々の集客源ですから、それぞれ別々に数字を出して管理するのです。
そしてまずは、営業利益がもっとも上がる集客源を、優先的に改善していきます。
営業利益が低く、費用対効果の低い集客源は、場合によっては廃止します。

やめた分の資金を、営業利益が上がる集客源に振り分けたほうがよいかもしれません。
営業利益を最大化できる方法を考えるのです。

士業の集客に関してはこちらの記事もご参照ください。

集客とは一体?士業の大半が犯す集客の失敗

時はカネなりの発想を士業は持つべき

1件の依頼を、あなたは何時間で終わらせることができるのかを検証してください。
10万円の報酬を得るために1時間かかる場合と、同じく10万円を得るために10時間かかる場合とでは、
前者のほうが望ましいですよね。当たり前のことです。

1件にかかる時間を短くして、より多くの依頼をこなし報酬を得るのが望ましいのは、
売上面からはもちろん、費用の面から見ても、事務所の家賃といった、1か月の報酬がいくらであっても固定的に発生する費用を吸収するために重要です。
これも当たり前のことですね。

「経費を抑える」という発想も、営業利益の最大化のためには重要です。
その場合、具体的な経費としては、家賃、交通費などの見えやすいお金は経費の削減をしやすいかもしれません。

でも、「一番大切な経費」は帳簿からは見えてきません。それが何か間違えないでください。

あなたの時間が、「一番大切な経費」なのです。

この発想は当たり前のようでいて、実際に意識できている士業はほとんどいません。

僕は、いかに非生産的な時間を削るかを毎日考えています。
「生産的なことのために、自分が自由に使える時間」を作ることは、その他のどんな経費削減よりも大切だからです。

そのために僕は、事務所を横浜から表参道に移しました。
家賃は約2・5倍になりましたが、生産的に使いにくい移動時間を、
僕一人だけでも、月当たり約10時間は削れたと思います。

僕以外の事務所スタッフの非生産的な時間も合わせれば、事務所全体で月に数十時間程度は削れました。
ちなみに事務所を表参道に移したことで、事務所のブランド向上、お客様の利便性の向上、事務所全体として交通費を2万円以上抑えられたなど、馬鹿にならない余禄もありました。

一般的な士業事務所が同じように経費削減のために事務所移転をする場合、
非生産的な時間の削減という発想はしないので、

家賃を抑えたい
→都心、駅から遠い事務所になる
→自分たちの移動時間が長くなる+お客様の利便性が下がる
→集客に使える時間が減る+お客様は不便な事務所へ依頼の相談をしたくない
→売上が上がらない、安定しない、拡大しないという「負のスパイラル」に陥る危険があります。

一般的な士業は、事務所を便利な場所へ移転するのは、売上が十分に大きくなった後のことだと考えます。
この考えでは、いつまでたっても売上を大きくすることができません。事務所の移転もできません。

よしわかった。自分の時間を大切にしよう。
しかし、あなたは依頼を受けてから完了させるまでの案件処理にいったい何時間かかりますか?
事務所の営業利益を、案件処理のためにあなたが取られる時間で割るといくらになるでしょうか?
よくある時給換算の発想ですね。
あなたは、時間短縮の観点から業務をとにかくシンプルにする必要があります。
案件処理にかかる時間を、軽減し続けることによって、あなたの「時給」は上がり続けます。

案件処理にかかる時間を減らす方法

実は、このような時間短縮という点からも、専門業務に絞ることをお勧めしていたわけです。
僕が開業当初に会社設立業務しかやらなかったのもそのためです。
専門に絞り込んだ会社設立業務については、1年間で200件程度をやることができたので、ノウハウの蓄積がかなりできました。ノウハウが増えるほどに、業務遂行の効率化ができ、時間短縮ができます。

たとえば、会社設立というのは、お客様にとっては通常、初めての経験で、何かと心配事が多いものです。そのため、いろいろ質問をしてくださいます。そして、ほとんどの方が同じ種類の質問をします。
僕の事務所には、今や数百社の会社設立に携わったノウハウがありますので、お客様が心配される点は何か、事前にほとんどわかります。

そこで、よくいただく質問などをまとめた数十ページの説明書を、事前にお客様へお渡ししています。
この説明書を事前にお渡しすることだけでも、大幅に案件処理の時間が短縮されます。
ポイントは、お客様が不親切だと感じないやり方で時間を短縮することです。
いかに効率的であろうと、ホスピタリティに欠けたやり方はお勧めできません。

1つひとつの集客源の個別の受注効率を検証する

もう一つの管理すべき数字。
1つひとつの集客源を分析して個別の受注効率を検証することは、売上を安定させるためには必ず必要です。

集客源というのは、僕の事務所の例ですと、大きくはホームページ、他の士業の先生などからの紹介、DM、SNS、セミナーからの集客などがあります。
これら大きく、くくった集客源を、さらにそれぞれ細分化していきます。

ホームページの場合、僕の事務所が運営しているサイトは13前後ありました。その1つひとつのサイトごとに数字を出します。
たとえば、Aというサイトからは会社設立業務を月に3件受注でき、Bというサイトからは会社設立業務を月に5件受注できるという数字が出ます。
こんなふうに、それぞれの集客源から月に何件集客できるのかということを、感覚ではなく、ぶれない数値で管理することが、売上の安定につながります。
また、それぞれの集客源から受注できる件数を増やすためには、あなたの専門業務のターゲット層に適した集客源は何か、分析することが重要です。

ターゲットに適した集客源を選び、集客方法を改善する

集客源からの受注の精度を上げるためには、ターゲットとするお客様像を分析して、適した集客源は何か検討しなくてはなりません。

たとえば、相続にかかわる業務を、あなたが専門としたとします。そうすると、ターゲットはシニア層だということになるでしょう。
しかし、「シニア」とひと口に言っても、お金持ちのシニア、一人暮らしのシニア、介護施設にいるシニアの方など、いろんなシニアの方がいます。
そのように、それぞれ背景の違う人に対して、一律に同じような集客方法をとっても、通用しない場合があります。

たとえば、ご家族のいないシニアの方をイメージした場合であれば、集客源の柱は、お客様の間での口コミなどによる「紹介」かもしれません。
シニアの方は、仲間とよく集まったりしますので、相続業務を専門にするいい行政書士事務所があるという口コミが起きれば、お客様のご友人などからの依頼を、次々に取れるようになるかもしれません。
一方、二世帯住宅にお住まいの場合など、ご家族の方がいるシニアの方の場合、相続の相談にくるのはご本人ではなく、息子さんかもしれません。そうなると、また違う集客源が柱になるでしょう。
あなたが専門業務で狙っているターゲットを分析して、まずはそのターゲットに合う集客源を選択することです。

その次に、その集客源の特性を理解

たとえば、iphoneのようなスマートフォンは便利ですよね。しかし、それは、使える人にとって便利というにすぎません。
シニアの方にとっては、表示が細かすぎたり、操作をしづらかったりと不便かもしれません。『らくらくホン』のほうを好むシニアの方は大勢いらっしゃいます。そういったことです。
そして、ターゲットの目線にあったメッセージをお伝えください。
今どきのシニア層はインターネットを使いこなす人も増えていますから、ホームページで集客することも可能かもしれません。
ただし、その場合でも、文字を通常より大きく読みやすくしたり、こちらから積極的に訪問するというメッセージを強調して見せるなど、例えばですが、工夫のしようはいくらでもあります。

これらはいずれも、感覚やセンスの話ではなく、すべて科学的な話です。誰しもが勉強すれば必ずできることなのです。

マーケティングや業務を全て数字化する

数字として管理すべきは、大きく2つでした。
①集客源ごとの営業利益(報酬―経費)
②1つの集客源から1件を受注できる確率

①の営業利益を大きくするためには、

(1)お客様からいただく報酬を高くすることと
(2)総原価(特に、集客にかかる経費)を最小化することでした。

(2)に関しては、さらに、あなた自身の時間を使わないように業務を効率化することを忘れないでくださいね。

もう一つ、受注できる数、確率を上げるためには、集客源の精度を上げることでした。
精度の向上のためには、まずは、あなたが狙っているターゲットをものすごく明確にしてください。
シニアと一口に言っても、お金持ちのシニア、一人暮らしのシニア、介護施設にいるシニアの方などいろんなシニアの方がいます。
そのような背景の違う人は、同じような集客の方法が通用しない場合もあります。
そのため、狙っているターゲットに合う集客源をまずは正確に選択すること。
その次に、その集客源の特性を理解してください。
そして、ターゲットの目線にあったメッセージをお伝えください。
いずれも、感覚の話ではなく、全て科学的な話です。
感覚ではありませんので、誰しもが勉強すれば必ずできる内容です。

こちらの記事も合わせてご参照ください。

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