ライバル士業との競争をなくす差別化の本質

経営・マーケティング
Group of paper airplane in one direction and with one individual pointing in the different way, can be used leadership/individuality concepts.( 3d render )

「カネ儲けより価値の提供がすべて」

ある媒体で、(当時の)エプソンの碓井社長がコメントを出しています。内容を要約す
ると、そのポイントは「カネ儲けより価値の提供が大事」ということです。
エプソンの主力商品は複合機ですが、これまでは、ただ印刷物を刷ってそれで終わりと
いうものでした。これは「インクビジネス」といえるものでした。プリンター本体という
ハード面で稼いでいるわけではなく、ソフトの消耗品であるインクをずっと販売し続けて
いたのです。それがエプソンの価値提供でした。

しかし複合機が普及するにつれて、純正品のインクではなく、似たような類似品のイン
クが出てきました。価格がとても安いので、現状、リプレース(代替)されてしまってい
るのです。それでエプソンは、危機感をもったわけです。
そして出てきたのが、循環型の複合機でした。ポイントは、使用済みの紙を白紙に戻せ
る技術です。この技術を活用すれば、同じ紙で白紙に戻し、コピーし続けることができま
す。つまり、お客さまは紙を購入せずにずっと使い続けられるわけです。
碓井社長は「自社ならではの価値を生み出せるかどうかが大事」と言っています。この
ような発想こそ、経営そしてマーケティングに必要なものだと思います。

儲けたいという気持ちが強くなりすぎると、企業は間違った方に進んでしまいます。そ
うではなく、いま一度、価値の提供にフォーカスする。それが、企業が危機を脱するため
に必要なことなのです。
もちろん、利益を挙げることは大切です。売上および利益というものは、成長の源泉に
なるのですから。しかし、目先の売上ばかり追いかけてしまうと、イノベーションを生み
出すことはできません。イノベーションとはつまり、価値の成長です。
大企業であるエプソンでも、価値の成長をおろそかにした結果、お客さまが離れ、そこ
で初心にかえり、価値の提供を重視することにしたのです。

お客さまが必要とすることをできるようにしていく

僕らの会社で言うと、会社設立業務をやっていましたが、会社設立の数をこなせば会社設立のサービスそのものの精度が高まります。しかし、会社自体が提供できる価値そのものを高めていかなければ、生き残ることはできません。会社設立の業務を、他の会社より5分ほど早くできるからといって、たいした差別化にはならないのです。会社を設立できる会社は山のようにあるのです。
その商品・サービスの改善も大切ですし、もう一方の面ではより価値を変えて増やしていく
という視点も大切です。
そこで僕たちは何をしたのか。会社設立をするお客さまにフォーカスし、より価値の高
いサービスを提供することにしたのです。具体的には、集客につながるWebサイトの制
作や起業家を集めたイベント、販路開拓のマッチング、メンター機能、投資機能など、お
客さまにとって価値のあるサービスばかりです。会社を設立したお客さまが、設立後に困
ることを先回りして商品・サービスとしました。
会社として考えなければならないのは、「いかに価値を高めていけるか」ということで
す。もちろん、価値とはお客さまにとっての価値です。自分たちにとっての価値ではあり
ません。
お客さまにとっての価値をいかに高められるか。新しい商品やサービス、あるいは改良
された商品やサービスはそのためにあります。
売上を上げること、利益を高めること。それらは、サービスや商品によって価値を提供
した結果でしかありません。そしてその結果を蓄積することが、次のお客さま満足につな
がります。

短期のキャッシュフロー、中長期の成長戦略。そういった視点と同様に、価値を高める
ということも意識してみてください。いずれかだけでは不十分です。複数の視点、複数の
軸で考えることにより、会社の価値そのものが高まっていくのです。
サービスをつくることが目的では決してありません。会社を存続し続けることが目的で
もありません。僕たち起業家の存在目的は、常に、お客さまに対して、期待を上回る価値
を提供し続けるただそれだけなのです。どんなステージになってもこのことが会社経営の
最優先事項です。毎日、商品・サービスの価値が強くなっているかということを意識して
下さい。

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