お客さまの数を増やすことによって得られる3つのもの
お客さまが100円の商品を1個買ってくれたとして、僕はその瞬間に100円しかも
らえません。そこで、「たったの100円なんて……」と思えば、あなたはお客さまを雑多
に扱うかもしれません。
しかし、そこで考えるべきなのは、今いくらもらえるかではなく、このお客さまと長い
間付き合うことで生まれる、このお客さまから生涯でいただける総額ということなので
す。つまり、長期的なスパンで物事を考える必要があるのです。(時間軸の話もありまし
た。)
ビジネスを長期スパンで考えてみると、あなたからもらうのは100円ではありませ
ん。
今のこの瞬間は100円かもしれませんが、たとえば
10年というスパンでみると500万円もらっていることになるかもしれません。そのように考えれば、対応そのもの
が変わるはずです。そのことによって、無視していた人がお客さまであることに気がつ
き、お客さまの数が今よりも増えますよね。
長期間の付き合いを前提にすることで、お客さまからいただく報酬も増やせますし、ま
た、お客さまの数も増やせるわけです。お客さまの数は会社や商品・サービスにとって信
頼となります。それが実績や、お客さまの声の形になって、また商品・サービスの改善の
ヒントになって更なるお客さまの数の増加に寄与します。
また別で気づかなければいけないのは、お客さまが僕たち会社に抱いている「期待値」
です。期待値とは、「このぐらいのお金を支払っているのだから、このぐらいのサービス
を提供してくれるだろう」という想定のことです。その期待値を大きく上回ることができ
れば、あなたが提供する商品やサービスは、お客さまの記憶に残ります。
そのようにして、つねに期待値を上回る価値を提供していくのです。そうすると、「す
ごくいいサービスでした」といって、SNSに投稿するかもしれないですし、周りの人に
話すかもしれません。すると周りの人がお客さまになってくださり、このお客さまの期待
値をも超えることができると、このお客さまも周り人を紹介してくれるかもしれません。
この流れはずっと、続いていくわけです。直接的な相手が満足してくれるだけでなく、周
囲のお客さまも呼んでくれる。まさに一石三鳥の効果を生むのです。
お客さまに対して、そのような衝動を起こさせないといけません。すべての行動は連動
しているのです。__目の前の一人にものを売ったというだけでなく、ひとつの行動が一石三鳥に効果をもた
らしてくれる。そのような発想でビジネスを展開しなければならないのです。
サービスとは不完全なものである
時間軸で考えれば、サービスとは不完全なものであり続けます。つまり、不完全である
がゆえに、つねに成長して変わっていかなければならないのです。
柔軟に変っていくためには、僕は、圧倒的にお客さまの数をもっていることが大切にな
ると思っています。
なかには、圧倒的にお客さまの数をもっていると、あぐらをかいてしまう会社もありま
すが、それでは潰れていくだけです。お客さまがこれだけいるのだから大丈夫だと安住し
てしまってはいけません。
そうではなく、お客さまの声を聞き、出てきたオーダーに対応できるように努力する。
「あ、こんなニーズもあったのか」と気づきを得て、商品化する。そのように、ビジネス
もまた進化していかなければならないのです。お客さまの数があること自体が新しい商
品・サービスとなっていくこともあります。
だからこそ、ライフタイムバリュー(長い期間のお付き合いを前提として、お客さまからいただくことのできる報酬)を意識することと、目の前のお客さまを大切にするという
ことは、ゴールが一致しています。
とにかくお客さまの数を集めることによって、ライフタイムバリューを高めつつ、お客
さまを紹介してもらえる。それが、ビジネスにおける好循環なのです。
もちろん、数をこなすことによって、業務レベルも高まっていきます。量が質を生むの
です。そして、質がさらに昇華されたらブランドになります。量があったことによってブ
ランドが生まれるのです。
他社と比べたとき、「ここが1番のブランドだよね」と言ってもらえること。そうなれ
ば、単価を高くしても選ばれ続けることになるのです。